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就職活動であわただしくなった頃

僕はその日、大学の研究室のソファーで目を覚ました。同期の学生の多くは、まだ研究室に来ていない。おそらく就職活動で、企業を回っているのだろう。

僕の大学は、大手の上場企業に内部推薦で会社にいく人が多かった。
内部推薦に頼らない場合でも、ほとんどの人がやはり大手の上場企業に的を絞って就職活動をしていた。

「どうして、みんな大手企業に行くのだろう?」

僕は不思議でならなかった。

みんな、つい最近まで、社会に出ること、会社で働くことなんて、少しも口にしていなかったのに。つい最近まで口にしていたのは、ゼミの準備が大変だ、とか、ゲームのはなしとかばっかりだったのに。

就職活動の時期が近付くと、やれソニーだ、やれNTTだ、やれIBMだ、と急に口々に知っている企業の名前を出してエントリーシートをせっせと出していた。

もちろん、きちんと考えて、そうした大企業を選択している友人たちもいた。そうした人たちは、その大企業で研究職を続けたい、というのが主な理由だった。

しかし、そうでない多くの友人たちは僕にとって、

 就職先=大企業

とあまりに短絡的に結びつけているように見えた。

一部の友人たちは、働くということを考えているんじゃなくて、有名企業の仲間入りをしたいだけなんじゃないのか、とも僕は考えていた。

対する僕も、働くことに関して、真剣に考えていたわけではない。来年の今頃は、大学院を卒業しなければいけないが、その先はどうするか。これと言ってしたいこともない。ぼんやりと先のことを考えているだけで、具体的に何をしたいのか、イメージできない。

大企業に入る、というのは、初めから選択肢としてなかった。僕には、

大企業で働いたときのデメリットが大きすぎる、

と考えていた。

1つは、出世争いだ。出世争いほど、無駄なものはない、と思っていた。同期であっても、そこで役職に優劣がつき、周りから何かと噂される。あの人は同期でトップだ、とか、最後だ、とか。常に意識しながら、仕事をしなければいけないのが面倒だ。それだけで気疲れする。

例えば、自分の知っている先輩は、学生時代も目立っていたので、おそらく会社に入ってからも仕事に一生懸命だったと思うが、あるとき、人事異動があったらしく、その際、

「あー、出世コース外れたー。」

と言っている、というのを耳にしたが、それってどういうことなんだろう、と思っていた。

また、やる気があっても、ポストが限られているわけだから、本当にやりたいことがあっても何年も待たなければいけなかったりする。顧客のために仕事するのが会社であって、やりたいことができるポストを得るためにエネルギーを費やしたりするのは、無駄のように思えた。そんなことをしているうちに、やりたいことを忘れちゃうんじゃなかろうか?

あとは、派閥争いとか、合わない上司の下についた場合とか、希望しない部署に行くかもしれない、とか、会社側の都合で転勤があるとか、大企業に行きたくない理由がいろいろあった。

周りの友人は、大企業は安定しているから良い、とも口々に言っていたが、当時であっても大企業は結構倒産していた。山一証券とか。先々を見たら、安定しているなんて、絶対に言えないのに、と思っていた。

そうすると、僕には就職、という選択肢に具体的なイメージは持てないので、消去法で、

「じゃぁ、博士課程に行こう」

と考えていた。

博士課程なら、まわりからとやかく言われないし、やりたいこともできるだろう。その間に、やりたいことも出てくるだろう。

(続く)

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コメント

たまたまググってひかかりました。

只今就職活動中の身ですが、ブログに同感させていただきました。自分自身では大手の会社などの方向性をきめられないのに、大手は安定しているから大丈夫という人々がいますが、自分のことを他人にまかすから様々な不安要素がうまれるのに、結局は大手は安全という結論に何の躊躇もなく考えついている人々に対し、自分は不安を覚える今日このごろですw

投稿: hyde | 2010年10月 5日 (火) 00時44分

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